総額6千万円 詐欺女を追え

【依頼者プロフィール】
  • 氏名:栗原康博
  • 年齢:50代
  • 職業:会社役員

依頼内容

依頼人である栗原氏は横浜市内に相続したビルを管理する貸しビル業を営んでいる。

同氏がこの度、結婚する事となり婚約者にある事実を告げた。

それは12年程前、通っていたスナックに勤めていた女性(当時30代中ごろ)と親しい関係にあった。そんな関係も半年ほどで終わったのだが、その際、彼女は末期癌の診断を受けお店を退店した。

その後もメールで日々の闘病生活の様子や近況の連絡は続く。

内容の中には生活苦や新薬で費用が掛かる事などが記され、10年前から栗原氏は月々50万円を彼女に振り込んでいたのだ。

延べ総額で6千万円である。

結婚した後も50万円の振り込みを隠すことは出来ないと思った栗原氏はこの期に彼女の実態を調べようと決意したという。

依頼人は彼女は既に他界したが、肉親者が毎月振り込まれる50万円の為、メールで生存を装っているのではないかという事を懸念している。

現在、彼女についてわかっている事柄は

・氏名

・年齢(生まれ年はわかるが、生年月までは覚えているが日失念)

・現在も独身である事

・10年前に住んでいた1Kのマンション

・当時、勤めていたスナック(現在は閉店)

・当時の常連客(住所や本名は知らない)

・卒業した高校(話の中で聞いた事なので事実は不明)

調査結果

調査はまず、卒業したとされる横浜市内の進学校からはじめた。

彼女の卒業年度前後を含め、確認作業を行うが卒業した事実は確認できなかった為、虚偽であると判断。

当時住所を確認すると、不審な50代男性が時折出入りするが、彼女の出入りは確認できない。ただし、賃借契約が変わっていないことが明らかとなり、何らかの関係が疑われる男が2人浮かび上がる。

続いて、当時のスナックのママの現住所を割り出し、当時の事を聞いてみる。

10年以上前の話なので具体的な話は少なかったものの、当時住んでいた別の住所が明らかとなった。

そこで、当時住所とされる団地へ赴くと、彼女を覚えている老婆がいた。

そこでの生活ぶりは依頼人の知らない彼女であった。

大手企業に勤める夫、子供2人の4人家族だったという。

また、癌だと言っていた10年前の後も元気な姿で病気だとは思えなかったという。

但し、6,7年前に家族で東京都大田区の方へ引っ越したという。

具体的な住所は不明。

ここまでの調査で依頼人が借り与えていたワンルームマンションには居住していなかった事、当時、既婚者で子供もいたこと。

そして、メールで不調を訴えていた時期にも元気な姿が確認されている事。

夫の存在が明らかとなったため、対象を夫に絞り調査を進めていく。

夫は現在も大手企業に勤め、現在は部長職。

通勤は自家用車を使用している。帰宅先を特定すれば彼女も同居しているだろう。

帰宅したのは神奈川県川崎市内の戸建て住宅だったが、表札は別の苗字だ・・・・。

数日の調査で夫は彼女と夫婦ではあるが、数年前から別居状態。現在は別の女性宅(子持ち)に転がり込み、同所で生活している事が判明した。

続いて、子供の予想される年齢から県内の高校卒業名簿の調査をはじめ、現在の居住地にたどり着く。現在は18歳、20歳である。

結果は彼女名義のマンションに兄弟2人で居住していた。

その理由はわからなかったが、ここまで明らかになれば、彼女へたどり着くのも時間の問題である。

数日後、彼女は息子2人が住むマンションから5km程の位置にあるアパートに母親と共に暮らしていた。

彼女は現在、仕事もせずに元気な姿で生活していた。恐らくは依頼人の振り込まれるお金をもとに・・・・。

彼女からお金の回収は法律的にも経済的にも困難だろう。

依頼人は受け取った報告書には彼の記憶の中の彼女とは似ても似つかない 太った、目つきの悪い女の姿がそこにあった。

今更、金銭の回収が出来るとは期待していない。ただただ、事実を知れてよかったと言い残し、事務所を去っていた。

月々の振り込みは調査期間中に彼女の病気が虚偽であると判明した時点からストップしていた。月末に振り込まれないと、彼女からのメールは頻繁になり、現在も続く闘病生活の近況が記されていたという・・・・。

彼女にとっても、既に依頼人からの振り込みが生活の糧なのだろう。

毎月送金されるお金に対する執着、必死な姿がそこからくみ取れる。

調査期間は長期に亘ったが、事実究明までたどり着けたこの案件は私にとっても非常に印象深い案件の一つとなった。

調査料金

プラン 素行調査 1,290,000円
個人信用調査 300,000円
消費税 159,000円
調查実費 95,600円
合計 1,844,600円

※本件では素行調査、取材調査や卒業名簿からの調査など広範囲にわたる調査手法をとったため、そうした費用も素行調査分へ充当している。